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Wada's Blog

目を閉じてそんな

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目を閉じてそんな

目を閉じてそんな事を考えるでもなく思っているところへ、防諜網の指揮を任されいるヒューゴが報告を兼ねて様子を見に来た。「強行軍だった様子だが、イザベラとはどんな話を?」「ああ、それなんだが、先に謝っとくぜ。すまん、ヒューゴにも一緒に来てもらった方が良かったよ。」「と言うと、何か具合の悪い事態が発生したのか。」「いや、事は上手くいったらしいんだが、ここを出る時にヒューゴに『暴れる予定はない』と言ったろう。それが向こうじゃ、イザベラの依頼も有って、敵の連中と斬り合いの一幕さ。ヒューゴにも一暴れしてもらう良い機会だったんだけどなあ。」斬り合いの機会を分けたいというのは、人によっては有り難迷惑な話かも知れないが、武人は功名で名を売るのが本性である。ハンベエの態度に嫌味さは無い。「敵陣に乗り込んだのか。」

最終的には総司令官とし ivf價錢 てのハンベエの判断に委ねられるのであろうが、参謀総長として戦争全体の統括を任せているモルフィネスに情報を送らないわけには行かない。(本来なら、事を起こす前に知らせてやるべきだったよな。)とチラリと反省の思いを懐いたハンベエであるが、剣術使いの本性として、変転の中で刹那の行動に身を託すのが身上にもなっているこの若者には難問でもあった。「いや、敵の一部をイザベラが誘き出して敵陣からは三キロくらい離れた場所でやった。」「斬り合いになったと言うが、相手は何人くらい居たんだ。」「百人ちょっとだよ。」「ふーん、で一暴れしてトンズラして来たわけだ。何人か斬って捨てたんだよな。ハンベエの事だから。」「何人かというか。その場にいた奴は一人を残して皆斬った。・・・・・・。百何人をか?」「うん、そんだけ居たから、ヒューゴが居ても幾分かは分けてやれたんだが。」「百人を一人で・・・・・・。そんな真似が本当に出来るのか、俺には想像がつかない世界だ。」「百人って言っても雑魚ばかりだったからな。そんな大人数を相手にするのはタゴロローム以来だったから、若干腕が錆び付いてないかと思ったが、案に相違して前より楽に片付けられた。ヒューゴはまだそんなに人を斬っていないだろう。大人数を相手にした場合には、その場合の斬り方、身体の動かし方がある。まあ所詮慣れだな。血も涙も無い事だが、剣術は殺生の技、斬った数だけ強くなるというのは一面の真理だよ。」「・・・・・・。」「今度暴れる時は必ず誘うからよ。」遊びの誘いのように気易く話すハンベエであったが、ヒューゴの方では人殺しの誘いにさすがに有難うとは言えず、「ああ、待っている。」と辛うじて答えた。ヒューゴの胸中は複雑であった。百人もの人の命を奪って、何の屈託も見えないハンベエの態度には腰が引けてしまうのだが、一方で武人としての自負心からそんな大暴れが出来たら面白いだろうなとも思うのであった。 自分に向けるヒューゴの視線に刺さるものを感じたのか、ハンベエが付け加えた。「一言言わせてくれ、向こうも全員剣を抜いていた。剣を抜いた者が向き合えば、どっちかが死ぬのがサダメだ。俺は抜いたら殺すタチだ。悪いとは思わん。 と珍しく弁解めいた事を言った。「ああ、無論の事だ。」慌てたようにヒューゴは肯いた。コデコトマル平原の貴族軍はハンベエに斬られた軍監察員の亡骸を処理しつつ、ノーバー指示によるチャードの捜索を続けたが、生死すら不明のままであった。その一方で、ゲッソリナ方面に向けての斥候活動も開始していた。ハンベエ出現の報はもう貴族軍全員に伝わっていた。軍監察員百十三名の遺体もハンベエの仕業と、誰言うとなく兵士達全部の認識事項となっている。

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