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「一日の行軍距離は四十キロだが、三日掛けて進んで来るという事か。」早口だが滑らかに話すモルフィネスが一呼吸入れた所で、ハンベエが相槌を打った。「そうだ。敵軍情報を中々纏めきれなかった私の無能にも責任を感じているが、ハンベエ貴公も貴公だぞ。私やドルバス殿に戦略大綱をほとんど任せっきりで、ここの所、状況確認もしてくれないじゃないか。」モルフィネスがちょっと不満を露わにした。氷の貴公子鉄仮面モルフィネスが公の場で愚痴っている。「済まん。煮詰まってた様子だったので、邪魔しちゃ悪いかなと・・・・・・。いや、本当に悪かった。今日から本気出すぜ。」ハンベエは笑いながらモルフィネスに詫びた この日の『御前会議』は冒頭、このような会話から始まった。 参加者は、王女エレナ、総司令官ハンベエ、副司令官ドルバス、親衛隊長ヘルデン、騎馬傭兵隊長レンホーセン、財務担当ロキ、それにヒューゴが総司令官付武官の肩書で参加している。侍女筆頭のソルティアはエレナの衣服整理を命じられて不参加。装飾担当パーレルも不参加である。話題が軍事的事項に限定され、かつ相当に長引くものと予想される事から直接軍事に接する者の参加に留められていた。後、軍医イザベラ(王女軍における表向きの役職は軍医とされていた)はエレナとこhong kong international school feesっそり顔を合わせた後、を消していた。「続ける。太子軍の各指揮官名は第一師団長コノバック、第二師団長ドーマヌーケ、第三師団長ボケルゾ、第四師団長クルートル、第五師団長ミハーナ、第六師団長ヒヨール、第七師団長クービル。ボルマンスク留守部隊指揮官はイランコフ。」「クービルって、そいつ十二神将とか云うのの一人か。」ハンベエは、かつてエレナの孤児連訪問の帰り道で斬り合いをした男を思い出していた。その時は名を聞く事も無かったが、後で調べさせるとその男は十二神将クービルと判明していた。「そうだ。第七師団はナーザレフの息の掛かった十二神将と呼ばれている者達が師団長を始め残りの連隊長にも就いている。各連隊長の名は第一連隊から順にアンドア、サンテーラ、インドル、メキーラ、ピッカラ。」「メキーラってのは、パタンパでウージと連んでロキを襲おうとした奴じゃないか。ボルマンスクに居るのか?」「十二神将の者全ての動向を把握しているわけではないが、今挙げた者はボルマンスクで出撃に備えている。パタンパから帰還したのだろうな。」「捜索しても捕まらなかった筈だ。」「余計な事だが、第七師団第四連隊長は以前はバージュラだったそうだ。メキーラはそれを引き継いだ。」 モルフィネスは意味深な視線をハンベエに送った。バージュラは既にハンベエの手に掛かって死亡していた。ふーん、と言うふうにハンベエ小さく首を折った。この後もモルフィネスの太子軍軍容説明は延々と続いた。貴族軍も太子軍も部隊編成はゴロデリア王国の従前編成のまま、盾と剣で武装する剣士部隊を主力に弓部隊、槍部隊が、それぞれ敵の弓部隊、騎馬部隊に対抗する編成のままであった。