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Wada's Blog

をしっている副長も

をしっている副長も、すかさず反対してくれる。

 

「歳、主計・・・。二人して、いったいいかがいたした?なにも、そこでゆっくりするわけではない。こちらより、はるかに田舎である。調練するにはもってこいであろう?」

 

 局長は、まったくきく耳をもってくれない。

 

「案ずるな。わたしは、大丈夫だから」

 

 その一言・・・。肺腺癌第四期平均壽命 大丈夫とは、どういう意味でのことなのか。

 

 局長は、おれのである。滞在できる場所もかぎられよう」

「だったら、俊冬と俊春に・・・」

「歳、いったいどうした?たかだか滞在する場所、ではないか?この話は、もうしまいだ。兎に角、流山にゆく。それ以外はありえぬ」

 

 そこまでいいきられると、おれだけではない。副長ですら口をつぐむよりほかない。

 

 新撰組が流山に滞在できぬ理由は、たった一つである。そして、その一つが、語れぬ内容なのである。

 

「法眼。見苦しいところをおみせいたしました。佐々井殿には、その旨よしなにお伝えいただけぬでしょうか」

 

 松本は、なにかを察したとしても、そこはさすがである。

 

「承知した。ちゃんと伝えておく」

 

 松本のが、副長から双子、それからおれへと、さりげなく向けられる。

 

 このときの話は、これでおわってしまった。

 

 松本は、双子がふるまう食事を堪能し、かえっていった。

 

 関東郡代への伝言をたずさえて。 流山への転陣も、もう間もなくである。

 

 松本が訪れた翌日、双子は朝餉の準備をしたのち、一日不在であった。

 

 わりあてられたおれの部屋に、ズボンとシャツが置かれていた。破けたところを、俊春が繕ってくれたのである。

 借り物のシャツとズボンを脱ぎ、それに着替える。

 

 この日は、一応に臨時休業とあいなった。そのため、みんな思い思いにすごしている。とくに傷病人は、ゆっくり体を休めることに専念しているようだ。

 

 局長は、自室で読書中。

 

 金子は、本を蒐集するのが趣味らしい。もちろん、自分でもよむのであろうが、二畳ほどの納戸にかぞえきれぬほどの本がある。DIYっぽい本棚に、きちんと並ぶ本の数々。おれも読書は大好きなので、いいものがあれば借りようと物色しはじめる。

 

 局長の部屋をのぞいたとき、局長は「三国志演義」を喰いいるようによんでいた。さすがである。

 

 ほかに、どんなものがあるのか・・・。

 

 棚を端から端まで眺めてゆく。

 

 うーむ。保存状態というよりかは、購入したときの本の状態がよくなかったらしい。破けていたりページが抜けていたりしている。それ以前に、そもそも、よくある「達筆すぎて判読できぬ」の草書体なので、よむのはむずかしそうである。

 

「なにやってんだ?」

 

 副長がとおりかかった。この納戸は、局長と副長の部屋から厠へゆく途中にある。

 

『アイドルは、トイレにいきません』、ということは絶対にない。歴史上トップクラスのイケメンも、おれとおなじようにトイレにゆくのだ。

 

「副長。局長にならい、たまには読書でもしてみようかと思いまして。ですが、おれのいたところとは書体がちがいますので、よみにくく・・・」

「そういや、利三郎も熱心にみていたな」

 

 副長が、おれにかぶせてくる。その内容に、意外すぎて返す言葉がみつからない。

 

 野村が読書?いやいや、そういうタイプじゃない。小説よりも、漫画や動画を好みそうだ。読書感想文も、真面目に読んだクラスメイトに内容をきくとか、あとがきからテキトーに推察するとか、webでネタバレを調べるとか、そういうたいぷである。

 

 その野村が?いったい、どんな本が好みなんだろう。

 

 そうか、草双紙か。きっとそうにちがいない。

「主計、ちょっといいか?」

 

 副長はそうささやくなり、くっそせまい納戸のなかにはいってきて引き戸を閉めてしまった。ちいさな明り取りから、わずかながらも光がさしこんできているからいいようなものの、それがなければ閉所プラス暗所恐怖症でどうにかなりそうである。

 

 もちろん、BL的には興奮もののシチュエーションなんだろうけど。

 

「副長。この空間に、二人はせますぎやしませんか?」

 

 密な状態であることを、抗議する。

 

 なにゆえか、ささやいてしまう。

 このイケメンとの密そのものが、禁断であるかのように。

 

 世の土方歳三ファンや、元カノいまカノ、さきカノにバレたら、血祭りにあげられるシチュエーションである。

 

 確信すると同時に、恐怖を感じてしまう。

 

「あああ?おまえ、なに興奮してんだ、ええ?鼻息あらいぞ。おれは八郎じゃねぇ。落ち着きやがれ」

「副長が八郎さんじゃないってことは、わかっています。ってか、なんでいまここで、八郎さんの名がでてくるんです?」

「おまえが大好きだからよ。ってか、かような話はどうでもいいんだよ」

 

 自分でふっておきながらどうでもいいって・・・。

 どういうことなんだ、イケメン?

 

「かっちゃんのことだがな。くわしく教えてくれ」

 

 副長がさらに
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